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昏睡から目覚めると。 高校一年生の伊藤あやめは、見知らぬ病院の手術台の上に寝かされていた。身体中に心電図の吸盤チューブや点滴の注射針が刺さっており、すべての計器が動作している。 まるで手術を受ける直前に麻酔から覚醒したような状況だが、医師の姿はどこにもない。朦朧とした意識で台を下りたあやめは、同時に自分の記憶がほぼ無くなっていることに 気付き愕然とする。―何が起こったのか。なぜ自分はここにいるのか?麻酔の作用で失禁しながら廊下に出ると、そこは煌々と照明の点いた、どこにでもある病院だった。異様な点といえば、ここでも人の姿が見えないことと、廊下じゅうにカルテや書類が散らばり観葉植物もなぎ倒されていて―まるで暴動でも起こったかのような、荒れた状況であること。 パニックを起こしそうな心を抑え、あやめは病院からの脱出を図るが――。灯りを武器に、闇と戦え。
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