フォイル
青木陵子/著
それはいつまでもつながっているチェーンリング
どこまでも広がっていく浮遊するワンダーランド。ポップで、ちょっとシニカルで、謎めくユーモアに満ちている。
国内外で活躍する画家・青木陵子の初めての作品集は、彼女自身によるコラージュブックのような体裁であり、そこには魅惑的なイマジネーションが溢れています。代表作であるカラフルな草花や風景のドローイングの他、初期の作品、ノートのスケッチ、スナップ写真、そして時折メモのような散文がささやかに添えられています。彼女の絵はポップ感と、少女的あるいはフォークロアなどのモチーフが融け合いながら、画面の中に様々な要素が不可思議に配置され、小さな紙に無限の広がりを感じさせます。彼女の頭の中がそのまま視覚化されたような、不思議なリズムと創造性に富んだ一冊です。
青木陵子は、松井みどり氏の企画により現在世界各国を巡回中の「ウィンター・ガーデン」展や、来年頭に国立国際美術館で開催予定の「現代日本の絵画(仮)」展などにも参加し、その活動は昨今ますます注目されています。