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もっと知りたい伊藤若冲 生涯と作品
東京美術
佐藤康宏/著
本書ではおよそ主要な作品を選んで若冲の生涯に沿って配列し、さまざまな角度からの短い解説を加えている。
また、若冲についてほんとうに知ってもらうためには同時代の文献が欠かせないので、漢文で書かれた史料は書き下し文か現代日本語になおして引用した。
最後の総論では、十八世紀京都画壇がきわめて創造的な場であったこと、そしてそこにおいて若冲の成し遂げたものが孤立した営為ではなかったのを理解してもらうために、若冲とほかの画家たちとの共通する志向について少し説明している。
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もっと知って欲しい!★★★★☆
近年脚光を浴び始めた若冲ですが、それ以前から若冲の画業に魅了された佐藤康宏氏による伊藤若冲解説本。
年代別の作品とその解説から、作風の移ろいがよくわかりました。
噂の鳥獣花木図屏風の真贋に関しては、ナルホドと思う部分も・・。

それにつけても今にも屏風や掛け軸から飛び出してきそうな動物、昆虫の躍動感。
「1000年後に評価されれば良い」と言っていた若冲の絵はそれより750年早く脚光
を浴びることとなりましたが、その多くが日本には既に無いというのは、
もの悲しいものがあります。

余談ですが、西洋画に関しては国立西洋美術館など立派な美術館が日本にも数多く
ありますが、日本画専門の美術館となると、東京でも山種美術館をはじめ数える程
しかありません。企画展も印象派絵画展やダビンチ、フェルメールの展示等では行列が
出来ますが、日本画美術展で活況を呈したのは「プライス展」くらいしか記憶が無く。

若冲はじめ北斎や歌麿、狩野派など海外での日本画、日本文化の評価は国内の一般の
認知度よりも遥かに高く、当の日本人自身が自分達が素晴らしい文化を持っていたと
いう事を忘れている気がします。もっと日本人自身に日本画の素晴らしさが認知されて
欲しいなあとこの本を読んで改めて思いました。
ポップアートの魁 シュルレアリスムにも通ずる伊藤若冲の画業★★★★★
伊藤若冲の絵画が近年富みに注目を浴びています。従来の日本絵画史の観点から見れば異端に属する画風ですが、現代的な視点からその画風を評価すれば、同じく異端であったヒエロニムス・ボスにもつながる天才イラストレーターの先駆のようでもあります。

本書は、そんな京の絵師若冲の画業を余す所なく紹介したものです。学部や大学院時代から若冲に傾倒し、研究してきた佐藤康宏東京大学教授の解説が掲載してあり、若冲の全体像を見渡せる書籍です。80頁の分量ながら代表作「動植綵絵」を掲載したハンディな図録のような体裁も取られています。奇想の画家としてもてはやされる若冲の素晴らしさの一端に触れてもらうのに最適な1冊と言えましょう。

その画風は一見して明画のようですし、狩野派の画法を捨てて、濃彩の花鳥画を題材にした宋元画の模写に励んだと言われていますので、戦前の日本画壇や美術史家から冷遇されてきたのは理解できますが、これだけの特異性は世界史的に見てもあまり類をみない画風ですね。

相国寺に寄進した30幅の「動植綵絵」の極彩色の細画には脅かされます。華麗な色彩を駆使しており、写実的でありながら非現実的なモティーフがまた異端の画家の本領発揮と言えるでしょう。
その他、雪中雄鶏図、糸瓜群虫図、鹿苑寺大書院障壁画、樹花鳥獣図屏風、重要文化財の仙人掌群鶏図、菜虫譜、鶏頭蟷螂図など、飽かず眺める作品群の素晴らしさにただただ感嘆の声しか出ませんでした。
神を超えた?★★★★★
10年位前だったか、朝起きた時(まだボーっとしてる状態)に、テレビをつけると、鳥の絵がババーン!っと映り、「江戸時代・・・」とナレーションが聞こえてきた。その時、少し寝ぼけていたので、誰が書いたとかそういう肝心なことが分からず時は過ぎ、最近、ブームとかで、ようやくこれが江戸時代の画家「伊藤若冲」だと分かった。分かったとなれば、さっそく購入。若冲についていろいろ本があったが、この本は値段も手ごろで、若冲の初期の作品から晩年の作品まで実にうまく焦点を当てて紹介してくれています。これで1600円は安すぎる!!すばらしい!!
やはり、若冲というと鳥の絵なのだが、本の表紙の鳥が魅了される。先ほどのテレビの話しだが、「神の前に若冲なし、神の後に若冲なし」と若冲自らが言ってたということを解説していたような記憶がある。確かにこの言葉は若冲には許されるだろう。手塚治虫が「自分を超える漫画家はいない・・・」と言っているのと同じようなものだ。若冲に興味を持った人は絶対持っていたほうがいい本だ。
プライスさんを貶める本ではないように見受けますが……。★★★★★
この本にはプライスさん所有の升目描き作品をめぐって、真贋を論じた部分が出てきます。
プライスさん所有の升目描き作品は模倣作である、というのが佐藤さんの主張のようです。
ただし、佐藤さんは真贋を純粋に論じているのであって、プライスさんご本人を貶める意図があって書いているわけではないように思います。
プライスさんは若冲の評価が低い頃から熱心に収集し、コレクションを自費で日本に送って公開したり、展覧会図録を大量に買い上げたりと、さまざまな貢献をしてくださったと聞いています。
自国の美術品が海外に流出するのはさみしい話ではありますが、貴重な美術品を流出させてしまった、日本人自身の貧しい審美眼を恥じることも大切ではないでしょうか。
見識に感銘★★★★★
かねがね「コレクター」なるものの胡散臭さには辟易していましたが、実はそれ以上に、コレクターを持ち上げる美術界の人たちに疑問を感じておりました。佐藤氏の見識は、その点についての疑義を浮き彫りにしており、これこそが美術批評というものの本義であろうと感服しております。
日本美術のコレクションではボストンをはじめ、アメリカの美術館は際立ったものがありますが、そのほとんどは近世から現代にかけての「個人コレクター」によるものです。プライス・コレクションも、もちろん同類です。
彼らに言いたい。「ノブレス・オブリージュ」の精神を学べ、と。
アメリカという国の文化がいかに貧相で浅薄なものであるか、自覚しているからこそ金にあかせた美術館を(劣等感かも?)つくるのか?

ジョウ・プライス氏は、ぜひその有り余る資金を日本の誰かに提供して、日本に心遠館を造るべきであったと思います。若冲を日本に返してほしいと切実に思います。たまに見せびらかすだけというのは勘弁して欲しいものです。

かつて、ヨーロッパの貴族や富豪たちは、資力にものを言わせて世界の美術品をおのれのものにするだけではなく、その資金で文化育成の支援をしたものです。
いまやそういう「パトロン」はほとんどいなくなり、「コレクター(もしかすると投資家)」ばかりになってしまいました。

コレクターというものがいかに利己的なものか、私たちは彼らの資金に目がくらむことなく、公正に評価すべきであろうと思います。
その点、佐藤氏の冷静な視線は、出展のエサに惑わされることのないものできわめて貴重なものと思います。
ぜひ、本書を読み、著者のコメントから本質を読み取っていただきたい。
こぐま書店★★★★☆
はじめて日本画っていいいなぁ。
と思った画家。
プライスコレクション来日時に美術館にいってさらに好きになりました。
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