ショップ名:オンライン書店boox[ブークス]
価格:2,730円 (税込み)
メーカー:岩波書店
一三世紀、引退した元修道院長カエサリウスは所領明細帳の筆写をしながらかつての修道院領に思いを馳せていた?今日まで伝来する写本と逸失した原本、そして筆写時点での現実とカエサリウスの心性。土地と農民を記録する所領明細帳に潜むわずかな裂け目から、史料の力をいかに引き出し、どう読み解くか。荘園制、共同体論、ピレンヌ・テーゼ、封建革命など、西欧中世史をめぐっては活発な議論が行われてきた。これらの枠組みを検証しつつ、賦役・農民経営・流通の面から中世初期農村社会の実態を探る。その具体的な記述と緻密な分析から浮かび上がる変容のダイナミズムは、わたしたちに「停滞する農村」像の書き替えを迫る。
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